「15時に閉まる銀行」のイメージと、入行後の現実のギャップ
仕事終わりに手続きに行けない不便さは重々承知しています。就活生の皆さんも、一般のお客さんと同じように『なんで15時で閉まるの?』と疑問に思いませんか?
最近は17時まで営業していたり、土日も開店している支店を持つ銀行さんも増えていますが、基本平日の09:00〜15:00を営業時間としている店舗が多いのではないでしょうか。
「もっと遅くまでやってくれたら学校終わりや仕事終わりに行けるのに」という声は多くいただきますが、15時に閉めたからといってそこで仕事が終わるわけではないのが現実です。でも就活生のみなさんは、店が開いていない時間や、窓口に立っていないのに支店にいる人が何をしているのか気になったことはありませんか?
今回は、閉店後の仕事にフォーカスを当てて、銀行の窓口からは分かりにくい業務の例を、入行してすぐの若手行員が経験する可能性が高いものに絞ってご紹介したいと思います。
あくまで私が所属する地方銀行での、入行してから半年程度の間での体験談です。メガバンクや他行、支店の規模によって業務の進め方に違いはありますが、「銀行の説明会やインターンでは理解しきれない仕事内容」を知る企業研究のひとつの参考にしてみてください!
インターンや説明会などで見る銀行業務は、渉外担当の方がお客様に様々な提案をするかっこいい仕事がメインだと思います。
でもそれをできるようになる前に、いわゆる後方事務、出納業務(支店内やATM等のお金の管理)等々がこなせるようにならないといけない地方銀行さんが多いと思います。(一年目からいきなり法人営業に出る銀行さんもあるそうですが!)
この記事では、説明会やインターンでは分かりにくい「銀行が閉店後に何をしているか」をお届けします。
入行後にどのようなスケジュールでどんな仕事をするのかイメージしやすくなること間違いなしです!
15:00閉店から退勤までのリアルなタイムスケジュールと新人の最重要タスク
シャッター閉鎖・各機械の集計データ(ジャーナル)印刷
例として、入金機に入っているお金や、機械に入っていないお金などを確認できるレシートを出力します。それぞれのレシートや集計データを元に、実際の現金とデータが合っているか確認します。
「ご名算(ゴメイ)」の確認
締め作業が終わっていない端末や、処理漏れしている伝票が無いか確認したあと「ご名算(ゴメイ)」の確認をします。
ここが合わないと何が原因なのか調べないといけないため、一日の中で現金が関わる仕事は絶対にミスをしてはいけません。
もし違算が出た場合、たいていオペレーション(銀行の裏方事務の作業のこと)を間違えて、同じ伝票を2回打ってしまったとか、金額を打ち間違えたなどが多いですが、基本的にほとんどありません。
小切手・手形の処理、書類の整理、翌日のATM・両替機の準備
小切手は銀行に持ってくればすぐに現金化される訳ではなく、銀行の窓口で預かったあと一度本部に送り、その後入金されます。そのために、伝票に起票して次の日にはその書類のオペレーション(伝票等をSBTという専用端末で処理する)をしなければなりません。
また、銀行はまだまだ紙社会なので、必要な書類に穴を開けてファイルに綴じていきます。枚数も多く意外と時間がかかります。あわせて次の日に、両替機やATMに現金を装填(追加すること)するための伝票を起票します。
最終確認・片付け・定時退行
机や棚の施錠、シャッターを下ろしたりエスカレーターを止めたりなどの戸締まりを行います。ゴミ箱に書類やゴミが残っていないか、電源がついたままの機械がないかなども確認します。
では、実際に15時のシャッターが閉まる瞬間、現場の若手行員はこの『ゴメイ』を出す前後でどんな機械を使い、どんな動きをしているのか、さらに具体的に解説していきます。
銀行業務に欠かせない!支店で使う3つの専用機械
オープン出納機
両替や現金の預け入れ引き出しなど、様々な支店内での現金管理を行うための機械です。現金を自動で数えてくれたり、偽造されたお金やボロボロになって使えないお金などを自動で避けてくれるので、お客様に渡すには不適格なお金をお渡ししないようにしてくれます。
現金バス
オープン出納システムと連携された、現金を入れる機械です。これも優秀で、1000万円出すのに間違えて1100万円出すと、アラームで教えてくれます。
SBT(専用端末)
銀行の窓口や後方事務で使う専用の端末のことです。見た目はほぼ昔のパソコンって感じです。伝票を読み込んで、お客様が伝票に押した印鑑が合ってるか確かめたり、顧客情報の照会に用いたり、支店のほとんどの業務に関わってきます。
閉店後すぐにやることと「手許現金」の計算
まず閉店後すぐに機械から印刷するものとして、「現金有高ジャーナル」というものがあります。これを見ると、ATMや両替機にいくらお金があるのか確認できます。
また、窓口で動いたお金や支店の窓口で払い込まれた税金の金額などが書かれた紙も、窓口担当の人が印刷します。それらをゴメイが出た後に電卓で計算して合っているかもう一度確認します。
機械で集計しているのに、なぜ人間がもう一度電卓を叩くのかというと、支店にあるのは機械に入っている現金だけではないからです。
手許現金(てもとげんきん)とは?
支店内にある、機械から出してある現金のこと。例えば以下のようなものが該当し、これらは自力で電卓を叩いて合っているか確認します。
- 機械で読み込めない汚損した紙幣や、旧紙幣などの大量入金
- 翌日、渉外担当がお客様のところへ持っていくお金
- お客様から用途毎に細かく引き出す連絡が来て、先に出金して封筒や袋に用意したお金
翌日のための閉店後の重要な周辺業務
現金を合わせる作業以外にも、どこの銀行でもありそうな業務の中から銀行特有な部分を抜粋してご紹介します。
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📮 印紙・切手を数える
税金の納付業務などで使う印紙の使用数を数えます。毎日何枚使用したか数え、記入していきます。また、切手も何枚使用したか記入します。
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🏧 次の日の準備
両替機やATMのお金の装填(お金を追加すること)や回収の金額を決めて、起票しておきます。「両替機は棒金10本単位で入れる」とか、「硬貨は何円以上になったら回収する」などルールが決まっているので、それに沿って起票したり、次の日に起票する用紙の準備をします。
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📞 その日の大きな入金・出金を調べる
大きな振り込みがあった方には渉外の方がお礼のお電話などをすることがあるので、そのために調べて印刷します。お客様の年齢や担当行員を書いてから渉外担当に渡すことで、スムーズにテレマーケティングを行えます。
この他にも、他店や子会社に送る物の発送準備や、郵便局に簡易書留を出しに行ったりと、支店の業務には細かい作業がいくつもあります。
就活生へ:この「閉店後業務」の知識は就活に活きるのか?
私は最終面接の最後に、「銀行業務は営業だけでなく事務作業もたくさんあるけれど大丈夫か」ということをしっかり確認されました。
インターンや就活サイトだけでは、営業をするイメージ以外はつきづらいと思います。ですが、最初は花形扱いをされる営業ではなく、1円単位の正確さが求められる事務からスタートすることを理解しておくと、入行後にイメージとのズレに違和感を感じなくて済むと思います。
また、面接で「営業以外の仕事も多々あることや、その重要性も分かった上で営業への熱意がある学生だ」ということが伝わるように、受け答えのタイミングがあれば以下のように言ってみるのもおすすめです。
「後方事務や出納業務もできるようになった上で、数字を取れる渉外担当になりたいです」
※入行してすぐに外回りではない銀行の場合に特に有効です!
まとめ
正直、就活中に知る銀行業務のような華やかさやかっこよさが無いのが後方事務です。ですが、これができなかったら銀行のお金の動きがなにも分からないというのも事実です。
「営業がやりたくて」とか「地元を活性化させたくて」とかの理由があって銀行に入行する人にとっては特に、地味でやりがいを感じるのか不安になってしまう内容だったかもしれません。でも、融資や渉外、それ以外の専門的な業務をやる中でも絶対に必要な基礎知識を付ける期間だと思って、私も今は毎日の業務に取り組んでいます。
この記事が、銀行業界を目指している皆さんの企業研究に少しでも役立てば嬉しいです!


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